水の安全保障(water security)がSDGs の各ゴールに対してどう影響するのかを調べたレポートが出ていました。
The potential of water security in leveraging Agenda 2030 (1)
水の安全保障とは
そもそも水の安全保障とは?という方もいると思います。
water securityについての説明を国連のページ から引用します。
“The capacity of a population to safeguard sustainable access to adequate quantities of acceptable quality water for sustaining livelihoods, human well-being, and socio-economic development, for ensuring protection against water-borne pollution and water-related disasters, and for preserving ecosystems in a climate of peace and political stability.”
つまり、水を媒介とした汚染や水害からの保護を確保して、生活や人間の福利、社会経済の維持のために許容される品質で十分な量の水への持続的なアクセスを守り続けるためこと、です。
water securityとSDGs の関係性
水の安全保障は、91%のSDGとリンクしていることがわかりました。
ポジティブな作用があるため、水の安全保障を高めれば高めるほど、他のSDGs の達成にも良い影響を与えます。
SDG6は言わずもがな、特にSDG3 (good health)とSDG2 (zero hunger)は影響が大きいです。次点で、SDG7(energy),とSDG13(climate)
water security と SDG3
COVID-19の流行中に手洗いうがいの大切さを痛感されたと思いますが、キレイな水や十分な水がなければ、帰宅時の手洗いうがいやトイレの後の手洗いができず、手を清潔に保つことができません。もちろん、先進国のように浄水場 がある地域以外では、飲用水として汲んだ水がそもそも汚染されていることが多々あります。そのため、COVID-19やノロウイルス などの感染性胃腸炎 といった感染症 の流行など汚水を飲むことによる健康への影響は計り知れません。
water security と SDG2
十分量の水がなければ、農作物や畜産といった食料を自給することができないため、飢餓が蔓延してしまいます。さらに、野菜を育てる水が汚染されていれば、その野菜を食べることで健康被害 が発生しています。例えば、ノロウイルス を含む汚水でそだられた生野菜を途上国から輸入した国で大規模な食中毒が発生してしまうケースはよく起こっています。
水はほぼ全てのSDGs の基盤となる重要な要素だとわかりました。
普段日本で生活しているだけだとわかりにくいですが、多くの国で水不足などの水関連の問題を持っているので、意識して生活していきたいなと思いました。面白いレポートでした。
Graphical Abstract (1)
(1) The potential of water security in leveraging Agenda 2030