シノハユ

他人の敷いたレールの上を歩みたい

[感想]これからのAIビジネス

最近、新しいプロジェクトに参加することになったのだけど、

「IoTで集めたビッグデータとAIを使って生産品質を向上させる」というものでした。

ただ、AIについてはふわっとした知識しかなかったので、少し勉強をしようと

これからのAIビジネス」という本を読みました。

著者は谷田部卓さん。

著者紹介:

神奈川県在住。ソフトウェア会社で、大手企業の技術戦略部門へのITコンサルティング業務に従事。クラウドでの機械学習を利用した新サービスの企画、開発、実装、試作まで行う。機械学習の社内講師を経て、現在はAIビジネスのコンサルティング
著書に「未来IT図解 これからのAIビジネス」(MdN社 2018年10月)「ディープラーニング 」(創元社 やさしく知りたい先端科学シリーズ2 2018年4月) 「ビジネスで使う機械学習」、「よくわかるディープラーニングの仕組み」、「深遠なる本の海へ沈みたい君に: ぜひ読んでもらいたい本」がある。

Amazon 著者ページより

 

本の概要は以下です。

概要:

現在は第3次人工知能ブームと言われていますが、これまでの第1次、第2次ブームとは違い、現実のビジネスにも利用できるようになってきています。そして、今から本格的なAIビジネスが始まろうとしています。ところが日本企業の大半は、AIビジネスの特性を知らず、その方法論も確立できていません。このため従来からあるソフトウェアを利用したビジネスと、同様な取り組みをしてしまい、失敗が多発しているのが実情です。このような行き詰まりを避けるには、実際にAIにはなにができるのか、その開発にはどのような準備が必要になるのかといった実務面をきちんと踏まえておく必要があります。本書では、ディープラーニングニューラルネットワークといった現在のAIブームを支える基本的な技術やビジネス活用の最新情報に加え、AIの開発工程の実際、PoC(実証実験)の課題、クライアントとベンダーの役割分担なども図をふんだんに用いてわかりやすく解説しています。さらに近未来の産業像を描いたSociety 5.0や求められる人材像なども紹介。本気でAI時代に備えたいビジネスパーソンに必須のナレッジを凝縮した一冊です。

MdN books ホームページより 

 

1章:人工知能とは何か

AIの応用領域には、予測と分類と実行の3つがある。

予測:売上需要予測など

分類:画像分類、予兆検知など

実行:自動運転や画像生成など

 

また、機械学習ディープラーニング(深層学習)、強化学習ニューラルネットワークなど機械学習の種類について詳細に解説されていました。

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参考: 未来IT図解 これからのAIビジネス p15

 

機械学習と深層学習は別物だと思っていたのですが、

深層学習はあくまで機械学習の1種類らしく、機械学習教師あり学習モデルのうちの一つが深層学習ということだ。

また、教師なし学習教師あり学習の違いは、特徴量を人が設定する必要があるか、モデルが見つけることができるかだと。

ニューラルネットワーク」は、人間の脳内の神経回路網を数字化モデルで表したもの。これが深層学習に用いられているらしい。

すごくコンピューターサイエンスに生物学的な考えが入っているのが個人的に魅力あるなと思いました。

 

2章:AIビジネスの登場

現状、あまりビジネスへ応用できているところは少ないようだけど、

自動運転とヘルスケアの2つがかなり進んでいるようです。

自動運転では、テスラ・モーターズの例を示していました。

また、自動運転にもレベルがあって、人工知能が運転の一部を担うレベルと、運転をAIで完全自動化するレベル。

現状、完全自動化はまだまだ厳しいらしい。

 

ヘルスケアは、

・医療画像解析

・診断支援

創薬

の3つの分野で応用されているようです。

 

医療画像解析は、CTやMRIX線写真での読影の効率化をしている。

エルピクセルという企業を事例としてあげていた。

eirl.ai

 

診断支援は、電子カルテを匿名化し、症例データベースを作成し、ビッグデータから類似症例患者を検索し、病気を発見するのに応用している。

 

創薬は、ディープラーニングを用いた学習モデル「GCN」をベースに、創薬におけるリード化合物の探索と最適化を支援する。

tech.nikkeibp.co.jp

 

その他にも、FintechやHR、スマートファクトリーなどに応用されていくらしい。

 

3章:AI活用の時代

AI導入の投資効果や、PoCの課題(PoC貧乏について)、デジタル・ディスラプターへの対処、労働人口の減少などといった課題について、どう対応していくか書かれていた。

また、いきなり難しいモデルの導入をするよりも、RPAから初めて見るのがどうだろうかという提案があった。3章で、最も紙幅を取っていた。

 

4章:AI時代の人材

メインは、人材育成や求められる能力について。

求められる能力

①課題設定力・目的設定力

②データ活用やITにかかる能力・スキル

③コミュニケーション能力

④分野を超えて専門知や技能を組み合わせる実践力

⑤リーダーになる資質

 

求められるスキル

・ビジネス力

・データサイエンス

・データエンジニアリング

 

また、ハイプサイクルの図を示して、変化に対応できる人材であり続けること、ロジカルシンキングだけでなく、デザイン思考・アート思考ができる人材であることが求められる。

 

5章:変容する社会における企業の姿

society5.0が描く将来の日本でどこにAIを応用するのかについて解説されていました。

モビリティやヘルスケア、ものづくりや農業などの分野に対する新たな価値の事例をあげていました。

最後に、人工知能の未来について、世の中の流れを解説されて本書は締められました。

ヨーロッパでは、人の脳を完全にシミュレーションできるようになることを目指しているらしいです。

 

 

全部で150頁程度なので、1時間から2時間あれば読みきれます。

AIビジネスについてざっくりと知りたい方にはオススメです。

AI自体にもっと知りたい人は他の人工知能に関する本を読まれるのがいいと思います。

 

 

MdNさんから出版されている未来IT図解には、AI以外にもブロックチェーンビジネスとIoTビジネスについての本も出版されています。

 

books.mdn.co.jp

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